弁護士・法律事務所向けポータルサイトの選び方ガイド

法律事務所を開業した際に最も悩ましい問題は「顧客をどうやって集めるのか?」です。WEB集客やオフラインでの紹介など様々な集客方法があるのですが、開業初期の頃は紹介で繋がる仕事が見込めないのであれば、ポータルサイトを使ったWEB集客をおすすめしています。

弁護士・法律事務所向けポータルサイトを使えば良いとは言っても、

「ポータルサイトは大量にありどれを選べば良いかわからない」

という悩みが多いです。弊社調べでは、有料プランがある弁護士・法律事務所向けポータルサイトは53サイト以上あり、法律相談専門以外でも使えるポータルサイトはそれ以上に膨大にあります。大量にあるポータルサイトの中から最適なものを選ぶ事は困難を極める作業となります。

この記事では「弁護士集客サポーター」を運営する森下(@morishita_web)が各ポータルサイトのWEB分析をした上で「ポータルサイトを使うメリット」「簡易的なポータルサイトの選び方」「ポータルサイトの比較分析」について紹介しています。

法律事務所がポータルサイトを使うメリット

ポータルサイトは安いのが最大のメリットです。メリットはこの一言に集約されているのですが、「ポータルサイトは安い」と考える人は少ないように思います。

月3万円で5件問い合わせがあるポータルサイトが仮にあった場合、問い合わせ1件当たり6000円ということになります。広告費≒営業費なので、時給1000円の人間を6時間使って問い合わせを1件以上取ることができるノウハウや仕組みを持っている方以外は費用対効果が合うはずです。

しかもポータルサイトとは労働契約を結ぶ必要もありません。源泉徴収も年末調整も突然の解雇に伴う労働訴訟もありません。契約期間の縛りがあるのが残念ですが。

「月3万円で5件問い合わせ」がそもそも少なすぎると思うのであれば、集客を自身でやったことがなく安く見積もりすぎか、集客が上手くいっているけどなぜ集客が上手くいったかわからない天才タイプなんだろうと思います。

「法律事務所にとってはポータルサイトが多くて何が良いかわからない」が悩みだろうとは思うのですが、ポータルサイト同士がしのぎを削ってより良い商品づくりをしてくれていると考えてください。世の中にはポータルサイトがほぼ存在せず、集客の入り口をゼロから作らなければならない業界・業種だってあるのです。

ポータルサイトの選び方

ポータルサイトに広告出稿する目的は問い合わせ数を増加させることです。認知を目的とするために広告出稿をすることも価値のあることですが、広告により認知度がどれくらい上がったかという効果測定は困難を極めます。なので、ポータルサイトの価値は「問い合わせ数/広告費用」でシンプルに計算するのが実務上最も使いやすい指標となります。

なので、ポータルサイトを選ぶ基準は以下の通りとなります。

  • トラフィック数
  • 登録事業者数
  • 広告費用

トラフィック数には「SEOトラフィック数+サイトを回遊するトラフィック数+広告運用によるトラフィック数」が含まれるのですが、外部者から観察できる「SEOトラフィック数」を持ってトラフィック数とすればよいかと思います。

3つの因数を掛け合わせとポータルサイトを選定し、ポータルサイトからの「実数ベースの問い合わ数」を把握することで、広告継続・取り下げの判断をしていけば良いです。

ポータルサイトを選ぶ基準は上記の通りですが、工数が多く広告測定も複雑なので簡易的な選び方を紹介します。

簡易的なポータルサイトの選び方

「あなたの地域名+法律事務所」でGoogle検索をします。検索結果上位にあるポータルサイトに上から順番に選んでいきましょう。

難しく考えず、上位表示しているポータルサイト3つくらいから始めて問い合わせ実数によって広告継続・取り下げの判断をしてください。

迷うようならトラフィック数の多いベンナビを選ぶのをおすすめします。※高いですけど。

法律事務所向けポータルサイトの比較分析

※データは2023/12/28時点トラフィックデータはahrefs(SEOの被リンク分析・競合調査ツール)というツールを用いて取得しました。

ポータルサイトは大量にありますが、有料プランで掲載すべきポータルサイトはそこまで多くはありません。「有料プランで掲載すべきポータルサイト」は以下に示す通りです。

弁護士ドットコム
ココナラ法律相談
ベンナビシリーズ
弁護士相談広場シリーズ
弁護士相談Cafeシリーズ
弁護士ほっとラインシリーズ

「有料プランで掲載すべきポータルサイト」はポータルサイト自体が集客に成功しているか否かを基準にしています。ポータルサイト自体が集客に成功していなければ、掲載事務所が集客に成功する可能性が低いからです。

総合系:法律事務所向けポータルサイト

総合系:法律事務所向けポータルサイトは取扱業務ごとに専門特化されていないポータルサイトを意味しています。

弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

青:弁護士ドットコム
橙:ココナラ法律相談
薄青:ベンナビ離婚(比較軸)

かつてはポータルサイトと言えば弁護士ドットコム一強の時代がありましたが、ココナラ法律相談や専門系ポータルサイトの台頭でその影は薄くなってきています。

それでも総トラフィック436Kかつペイドサーチ(広告運用)で3.4Kを誇る充分に強いポータルサイトではあります。地域によっては登録事務所(弁護士・法律事務所)が多い地域では、一事業者当たりに割り振られる問い合わせ数は少なくなることに注意しましょう。

ココナラ法律相談

ココナラ法律相談

青:ココナラ法律相談
薄青:ベンナビ離婚(比較軸)

ココナラ法律相談はトラフィック数増加が目覚ましく、かつ、登録事業者数も少ないので出稿ポータルサイトとしては有望な選択肢の一つです。

専門系:法律事務所向けポータルサイト

専門系:法律事務所向けポータルサイトは取扱業務ごとに専門特化されたポータルサイトを意味しています。各ポータルサイトシリーズ:離婚問題、交通事故、刑事事件、相続問題、債務整理、労働問題のトラフィックを比較してみました。

橙:ベンナビシリーズ
緑:弁護士相談広場シリーズ
赤:弁護士相談Cafeシリーズ
紫:弁護士ほっとラインシリーズ
薄青:ベンナビ離婚(比較軸)

離婚問題

離婚問題ポータルサイトの比較グラフ

ベンナビ離婚が圧倒的にトラフィックがあります。

交通事故

離婚問題ポータルサイトの比較グラフ

ベンナビ交通事故、交通事故弁護士相談広場が良い勝負をしています。交通事故弁護士相談Cafeはトラフィックが劣りますが、充分検討できるポジションです。

刑事事件

刑事事件ポータルサイトの比較グラフ

ベンナビ刑事事件のトラフィックがぐんぐん伸びています。刑事事件弁護士相談広場、痴漢・盗撮弁護士相談Cafeも充分なトラフィックがあります。

相続問題

相続問題ポータルサイトの比較グラフ

ベンナビ相続が圧倒的にトラフィックがあります。

債務整理

債務整理ポータルサイトの比較グラフ

債務整理弁護士相談広場が最もトラフィックがあります。

労働問題

労働問題ポータルサイトの比較グラフ

ベンナビ労働問題が圧倒的にトラフィックがあります。

ベンナビシリーズ

ベンナビ(旧弁護士ナビ)シリーズは株式会社アシロが運営する専門系:法律事務所向けポータルサイトです。

・ベンナビ離婚
・ベンナビ交通事故
・ベンナビ刑事事件
・ベンナビ相続
・ベンナビ債務整理
・ベンナビ労働問題

6業務のポータルサイトがHPに掲載されています。上記以外にも

・ベンナビIT
・ベンナビB型肝炎
・ベンナビ債権回収
・ベンナビ不動産
・あなたの弁護士

があります。

ベンナビシリーズは他媒体と比較して自然検索によるトラフィック数が圧倒的に多いです。加えて問い合わせ数が少ない場合は運用広告を使いトラフィックを確保するようにしています。また、地域毎に掲載数に制限を設けることで各事務所ごとの問い合わせ数を安定させているようです。

「地域毎に掲載数に制限を設けている」のは、ベンナビ特有の仕組みで他のポータルサイトにはない法律事務所にとって大きなメリットです。

ベンナビの欠点は掲載費用が高い点です。掲載費用はオープンになっていないので、この記事内では取り上げませんので、ご自身でお問い合わせください。

弁護士相談広場シリーズ

弁護士相談広場シリーズは株式会社Agoora(アゴラ)が運営する専門系:法律事務所向けポータルサイトです。

・離婚弁護士相談広場
・交通事故弁護士相談広場
・相続弁護士相談広場
・債務整理弁護士相談広場

4業務のポータルサイトがHPに掲載されています。上記以外にも

・刑事事件弁護士相談広場
・残業代請求・弁護士相談広場
・顧問弁護士相談広場

があります。

労働問題のポータルサイトが「残業代請求・弁護士相談広場」となっているところが特徴的な点です。その他特筆すべき特徴はありませんが、地域によってはトラフィックがあり広告掲載媒体として充分使えるポータルサイトです。

ただし、業務によってはトラフィックがほとんどないものもあるので、見極めが大切です。

弁護士相談Cafeシリーズ

弁護士相談Cafeシリーズはエファタ株式会社が運営する専門系:法律事務所向けポータルサイトです。

・離婚弁護士相談Cafe
・交通事故弁護士相談Cafe
・痴漢・盗撮事件弁護士相談Cafe
・遺産相続弁護士相談Cafe
・債務整理弁護士相談Cafe
・労働問題弁護士相談Cafe
・ネット誹謗中傷弁護士相談Cafe
・企業顧問・企業法務弁護士相談Cafe

8業務のポータルサイトがHPに掲載されています。上記以外にも

があります。

刑事事件のポータルサイトが「痴漢・盗撮事件弁護士相談Cafe」となっているところが特徴的な点です。その他特筆すべき特徴はありませんが、地域によってはトラフィックがあり広告掲載媒体として充分使えるポータルサイトです。

ただし、業務によってはトラフィックがほとんどないものもあるので、見極めが大切です。

「弁護士相談広場シリーズ」と「弁護士相談Cafeシリーズ」は問い合わせ窓口が株式会社Clamppyとなっています。これはとても重要なことです。

皆様は広告代理店の経験が無い方が多いだろうと思いますが、複数媒体を束ねる広告代理店は交渉の余地があります。なぜ、交渉の余地があるのかは省略しますが、「弁護士相談広場シリーズ」と「弁護士相談Cafeシリーズ」は個別に交渉するのではなくまとめて交渉してください。

弁護士ほっとラインシリーズ

弁護士ほっとラインシリーズは株式会社ベルクラインが運営する専門系:法律事務所向けポータルサイトです。

・離婚・不倫慰謝料相談 弁護士ほっとライン
・交通事故相談弁護士ほっとライン
・刑事事件相談弁護士ほっとライン
・遺産相続相談 弁護士ほっとライン
・債務整理相談 弁護士ほっとライン
・風評・誹謗中傷相談弁護士ほっとライン

6業務のポータルサイトがHPに掲載されています。上記以外にも

「刑事事件」と「債務整理」以外は全体的にトラフィックが少なく、まだまだこれからのポータルサイトです。正規料金で利用するのはコスパが悪いです。

まとめ

法律事務所向けポータルサイトの数は多く、何を選べば良いかわからない。という方向けにポータルサイトに関して思うところを書きました。

数が多いのは広告業者同士で競争してくれているということなので、消費者(弁護士・法律事務所)からすれば喜ばしいことだと思えるようになればWEB集客は楽になりますよ。